田沢湖周辺をドライブ
乳頭温泉の朝は土砂降りの雨。早々に出発して日本海方面に向かうことにしました。
田沢湖に向かう途中見かけた一面の黄色いお花畑。
霧に煙る秋田杉
ご存知のように秋田は杉の宝庫。「天然秋田杉」は木曽桧、青森ヒバと並んで日本三大美林の一つです。日本には産地の名前の付いた木材ブランドがたくさんあります。でもワインや食べ物ではなく、木材にこれほど多様な銘柄がある国は世界でも珍しいそうです。

秋田杉といえば曲げわっぱが有名ですね。自分のために一つ欲しかったのですが、秋田で買いそびれたのでネットで購入しました。秋田の誇る見事な伝統の技ですね!
神秘の湖田沢湖
「田沢湖ブルー」という言葉、聞いたことはあるのですが、実際に見て納得しました。水平線の深い青が特に印象的でした。日本一深い湖の田沢湖は、その深さと透明度のゆえに神秘の青い水をたたえているのです。
田沢湖、角館観光協会の情報はこちらをご参照ください。
野鳥の声「聞きなし」の話
ホオジロ
田沢湖畔の高い木のこずえで「一筆啓上仕り候〜」とさえずり続けていたのはホオジロです。
野鳥ファンの方はよくご存知と思いますが、「聞きなし」とは鳥の鳴き声を人間の言葉に置き換えることです。

ウグイスは「法、法華経」よね。
有名な聞きなし
- センダイムシクイ「焼酎一杯グイー」です。
- コジュケイ「ちょっと来い、ちょっと来い」と、森に行けばしつこく呼ぶくせに、いざ行ってみると姿を見せない鳥。
- ホトトギス「特許許可局」実際は舌をかみそうな感じで、「トッキョキョキャキョキュ」と言っているように聞こえます。この声を聞くと「ああ、もうすぐ夏だな〜」と感じます。
- メジロ「長兵衛、忠兵衛、長忠兵衛」そう言われたらそうかな〜?って感じ。とにかく長く賑やかにさえずります。あんな小さな体のわりにびっくりするくらい通る声です。
- サンコウチョウ(三光鳥)「月日星、ホイホイホイ」月日星と聞こえるどうかは疑問ですが、「ホイホイホイ、ホイホイホイ」とはっきり鳴くので分かりやすいです。

僕は毎朝の散歩でコジュケイに会うよ。
鳥海山麓をドライブ
田沢湖から秋田の大自然を眺めながらのドライブは、東北の懐の深さを実感しました。
さて、次にどこに行こうかと、道の駅象潟「ねむの丘」で稲庭うどんをすすりながらガイドブックを見ていたみっちー曰く。

象潟の九十九島では、「かわいい小鳥がたくさん田んぼに浮かんでいる」んだって!

えっ、かわいい小鳥が田んぼにたくさん浮かんでる?スズメなのかな?

あっ、よく見たら「小鳥」じゃなくて「小島」だった!
鳥好きなみっちーらしい勘違いに爆笑しました。
象潟(きさかた)は、かつては日本三景の松島に並び、「東の松島、西の象潟」と称された景勝地です。松尾芭蕉が『おくのほそ道』で最北の目的地として訪れた有名な地です。
九十九島は、鳥海山のふもとに点在する103あまりの島々が田園地帯に浮かんでいるように見える、象潟独特の風景です。紀元前466年に鳥海山の山体崩壊が起こ理、山頂から滑り落ちてきた岩のかたまりが現在の島の原型となっています。
JR東日本「大人の休日倶楽部」の吉永小百合さん出演のCMでも注目を集めました。
道の駅「ねむの里」の屋上展望台からは、九十九島と日本海が広がる、まさに絶景が見られるのでお勧めです。
実際に歩いてみることにしました。「ねむの丘」からは徒歩5分くらいです。
ちなみに、6月末は一面の青田です。スズメではなくアオサギが3羽、モアイ像のように微動だにせず一方向を見つめて田んぼにたたずんでいました。

どこに行っても鳥を観察してしまう悲しい習性の私たち(泣)
松尾芭蕉像
「象潟や 雨に西施が ねぶの花」松尾芭蕉
まるで『もののけ姫』の世界〜元滝伏流水
次に私たちは、鳥海山の伏流水がこんこんと湧き出る元滝伏流水に立ち寄ることにしました。
- 所在地:秋田県にかほ市象潟町関
日本海東北自動車道象潟ICより車で約5分、JR象潟駅より車で約10分、徒歩約10分 - 駐車場:無料 普通車21台、大型車9台
- トイレ有り

今まで聞いたことのなかった元滝伏流水はあまりにも素晴らしく、もし機会があれば絶対おすすめです。
駐車場から10分ほど渓流沿いの道を登っていきます。それほど険しくはありません。
まもなく幽玄な光景が現れます。まるで『もののけ姫』の世界です。
この滝は約16万~2万年前に、鳥海山の噴火で流れ出した溶岩の末端崖からあふれ出す伏流水がつくる滝です。
高さは5mほどなのですが、幅が30mもあり、白糸のような流れが幾重にも連なります。水温は年間通じて10度程度なので、川霧が水面を覆い、苔むした溶岩が霧に浮かんでいる幻想的な景観をつくっています。

滝の前でほら貝を吹いている若い女性がいたのが、とても風景にマッチしてよかったな〜。
山形の新そばの話
秋田から山形に向かう街道沿いの田園風景
山形県に入ると、辺り一面に白い花が咲く蕎麦畑に出会いました。
そばの花
一面に咲くそばの花。そばの花は秋かと思っていたのですが、6月末にも咲くのですね。不思議に思って山形の新そばの時期を調べてみました。
山形には新そばの食べごろ時期が3回あるそうです。
- 10月下旬から11月にかけての一般的な新そば
- 8月ごろに食べごろを迎える夏新そば
- 桜の花が咲くころが食べごろの寒ざらしそば
6月末に咲いているのは夏新そばの花なのですね。

3回も新そばの食べごろがあるって知らなかったよ。
日本海の荒波が造った造形美「笹川流れ」
この後、山形と新潟の県境の笹川流れに立ち寄りました。奇岩の連なる日本海に夕日が沈む絶景を撮りたかったのです。
笹川流れは、村上市浜新保集落内「鳥越山」より村上市寒川集落内「狐崎」までの約11キロメートルの海岸線で、国の名勝天然記念物(県立自然公園)に指定されています。

ここの海は日本屈指の透明度なんだって。
JR奥羽本線桑川駅
桑川駅にある道の駅笹川流れ(夕日会館)に立ち寄りました。
夕日には全く興味のないみっちーは、羽越本線桑川駅から電車に乗って今夜の宿を探しに出かけました。
私は夕方6時過ぎに浜辺に降りて夕日を待ちましたが、一向に太陽が顔を出す気配はありません。日本海の壮大なる夕焼けはあきらめて笹川流れとお別れしました。
夫に「今どこ?」とLINEすると、桑川駅から3駅目の村上駅前で待っているというので、車で向かうと、待ちきれずに缶ビールを開けているみっちーがいたのでした。
この日の宿、村上駅前のビジネスホテルを予約したみっちー、ホテルの支配人さんに教えてもらった地元で評判の良い居酒屋さんにいそいそと向かいます。
さっそく村上名産の天然岩ガキを注文しました。このカキは普通のカキとは逆で、6月中旬〜8月末にだけ食べられます。多くの川が流れ込むミネラルたっぷりの笹川流れの海で獲れたカキは、ツヤツヤプルプルの美味しいカキでした。もちろん地元のお酒、越乃松露を美味しくいただき、ほろ酔いでホテルに戻ったのでした。
新潟の名店そば
翌日には新潟から佐渡に渡れたらいいなと思っていたのですが、朝から土砂降りとなり、今回の北関東〜東北の旅はここでおしまいとなりました。
山形でおそばを食べることができなかった私たちは、最後に新潟在住の友人一押しの高水準なおそば屋さんに立ち寄りました。
十割そば 幸乃蔵 JR新潟駅万代口より徒歩約1分
白エビの天ぷら付きそば1,900円
新潟はへぎそばが有名ですが、こちらのおそば屋さんは十割そば。新潟駅直結でとてもアクセスがよく、滑らかで繊細な味わいのそばに辛つゆが美味しく、そば湯も風味豊かです。大好きな白エビの天ぷらにも大満足して、今回の旅を締めくくりました。
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