関東〜東北ぐるり旅*八幡平の高嶺の花

東北ふたり旅

仙台では駅前のビジネスホテルに泊まった翌朝、仙台から盛岡駅で友人夫妻を拾って田沢湖方面に向かいます。

今回の旅では八幡平から駒ヶ岳を巡って、今が見頃の高山植物に会うのが一番の私の目的。どこでもいいから早く温泉に浸かって一杯やりたいみっちーとの二人連れ。

みっちー
みっちー

秋田といえばやっぱ日本酒でしょ〜。

秘湯藤七温泉

昨秋、私たちは紅葉の頃に一度八幡平を訪れていたのですが、思いがけなく早い初雪に見舞われ、朝9時に宿泊先の藤七温泉から宿の車に先導されて一斉下山するという、前代未聞の体験をしました。おかげで八幡平の絶景をほとんど見ることができなかったので、今年はそのリベンジです。

藤七温泉から見た日の出

この写真は2022年10月末のこと。周りは晴天なのに八幡平付近だけ雪が降っていたので、幻想的な日の出を見ることができ、忘れられない思い出となりました。

藤七温泉彩雲荘は露天風呂に浸かりながら雲海や日の出を見ることができるという、海抜1400mの東北最高峰の山の宿です。秘湯マニアには大変有名で、内湯2ヶ所、露天が8カ所もあり、乳白色のお湯が山歩きの疲れに沁みます。

露天風呂が時間帯によって女性専用になるので、雪の降る夜、たった一人でのびのびとお湯に浸かった懐かしい思い出です。

sara
まりこ

宿の廊下に「こんな建物でごめんなさい」と貼ってあったね(笑)

みっちー
みっちー

食事も、珍しい山菜や地元の食材がふんだんに使われていて、お酒が進んだよね♪

確かに建物は傾斜しているし、隙間も少し開いて外が見えるほどです。食事もバイキングですが、地の食材が美味しく調理されていて、何より温泉が素晴らしいのです。また行きたいと思わせる癖の強い、まるでいぶりがっこのような宿でした。

八幡平へ車でのアクセス

今回私たちが行った松尾八幡平は、岩手と秋田の両県にまたがる標高1613mの火山です。たくさんの沼や湿原、温泉があり、トレッキングコースも整備されています。春夏の高山植物、秋には紅葉を愛でつつ、大自然の中で散策を楽しむことができます。

私たちはこの日、県道23号線、通称アスピーテラインを通って山頂レストハウスを目指しました。前回は雪が降り出してアスピーテラインは通行止めとなり樹海ラインを通りましたが、アスピーテラインから眺める岩手側の景観はまさに絶景です。

みっちー
みっちー

「アスピーテ」って何かと思ってググったら、火山の型の一つで、騎士の楯を伏せたような形をしている山を言うんだって。

岩手山 岩手県の最高峰、2038mの秀峰です。この写真はアスピーテラインの途中から撮った風景です。

岩手山は岩手、秋田、宮城、青森、どこからでも見ることができる、東北人の心のふるさとなのだそうです。校歌にも多く歌われていて、みんなが自分だけの岩手山を持っているのだとか。

八幡平一帯の地図

地上の楽園〜松尾鉱山跡地

松尾鉱山 緑ヶ丘アパート跡地

八幡平の山頂に向かって車を走らせると、不思議な廃墟群が見えてきます。廃墟マニアなみっちーが是非にと言うので立ち寄ることにしました。その手前にある資料館で予習も怠りなく。

その昔、松尾村(現在の八幡平市)には東洋一と言われた硫黄鉱山がありました。最盛期1950年代には、国内の生産量の3割である年間およそ8万トンの硫黄を産出していました。

ありし日の松尾鉱山

最盛期には鉱山の労働者とその家で、約15,000人もの人々が暮らしていました。今は廃墟の緑ヶ丘アパートは、純白の鉄筋コンクリート4階建てで、水洗トイレやセントラルヒーティングが完備されていて、都会の人々の憧れの地でもあったそうです。

また松尾には1500人収容可能な娯楽施設「老松会館」がありました。映画の上映や、笠置しず子や藤山一郎など往年の人気歌手たちが度々訪れたといいます。

やがて産業革命と共に松尾鉱山は衰退し、現在は緑ヶ丘アパートと鉱山跡を残すのみとなりましたが、国内外からの廃墟マニアに人気のスポットとなっています。

緑ヶ丘アパート

アート作品かと思うような廃墟の風景

八幡平のお花畑を歩く

八幡平山頂レストハウス

山頂には広い駐車場があり、レストハウスではコーヒーや、稲庭うどん、カレーライスなどの軽食を取ることができます。

ここで突然の雨風に備えて、装備をしっかり整えます。足元も登山靴やトレッキングシューズがお勧めです。

私たちが行ったコースは、最初の20分ほど軽い登りがありますが、あとは整備された遊歩道で、ゆっくり雄大な景色や高山植物の写真を撮ることができました。

高山植物園などで見る花と、この雄大な大自然の中で咲き誇る花々とでは、同じ種類でもまるで別物。勢いを得て輝いている感じがします。わざわざここまで見に来た甲斐がありました。

カラマツソウ

ハクサンチドリ

雪が残るレストハウス付近

雄大な風景を楽しみながら歩くみっちー

ツマトリソウ

気品に満ちたこの花はサクラソウの仲間。語源は「妻取り」ではなくて「褄取り」。花弁が7枚の端正なお花です。

シラネアオイ

水辺に咲く水芭蕉

6月後半、水芭蕉は少し盛りを過ぎたかなという感じですが、まだまだ見頃です。

サンカヨウ

クリスタルサンカヨウと呼ばれる、雨に濡れて透明になるこの花が有名です。この日は透けてはいませんでしたが、あちこちに群生していました。

イワカガミ

一度は見て見たかったイワカガミの群生。このピンク色の花が愛らしく湿原に沢山咲いていました。秋にもまた咲くそうです。

木道沿いに咲き乱れる花々

ワタスゲ 

木道のあちこちで風に揺れているのはワタスゲ。別名「雀の毛槍」という名前がピッタリの、ふわふわ、もふもふのお花です。

チングルマ

チングルマはまさに今が真っ盛り。あちこちに咲き乱れていました。8月ごろ、花が終わると雄しべが長く伸びて、まるでイソギンチャクのような不思議な形となって高原を彩ります。

6月の終わりには花々が一斉に咲き始め、どの花も瑞々しく輝いていました。

雨が降り出しそうなので山頂には行きませんでしたが、ゆっくり回って2時間ほどのコースを、写真を撮りながらのんびりと歩きました。

花の開花時期については八幡平市観光協会の表が分かりやすいので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

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