栄区いたち川〜川辺の散歩道
横浜というと、みなとみらいや山下公園など、おしゃれな港町というイメージがあると思いますが、鎌倉市に隣接する栄区のいたち川(鼬川)は、豊かな自然の中で鳥や昆虫、季節の植物を楽しむことのできる楽しいお散歩コースです。
今日は私たち夫婦の憩いの散歩道、「いたち川」のお散歩コースを趣味の写真を交えてご紹介します。この時期は紫陽花や季節の花々が美しく、野鳥たちも子育てに大忙し。命が川辺で息づいていると感じます。
いたち川ってどんな川?
いたち川は、鎌倉との境である横浜市栄区を東西に流れる、栄区のシンボルリバーです。上流部は自然の川と、市民の森等の緑が濃く残り、豊かな自然に囲まれています。
また、下流部の川の両側は、プロムナード等に整備されており、鳥や木々等の生き物を眺めながら、ゆったりと散策することができます。
あちこちにベンチが設えてありますので、歩き疲れたらほっと一息お茶を飲んだり、家族でお弁当を広げたり、木陰もたくさんあって気持ちがいいのです。

川岸にテーブルを置いて将棋を指しているご近所さんの姿も。なんだか昭和な感じがとてもGOOD。
一般に都会の川はコンクリート護岸で固められ、殺風景で見栄えのしない景観が当たり前でした。ところが最近は生物多様性への関心の高まりに伴って、河岸に多くの植物が生えたナチュラルな川が増えてきています。
今回ご紹介するいたち川も、植物のふんだんに生えた河川敷の間を清流が流れる美しい川。積極的な多自然型護岸が評価され、2011年には土木学会デザイン賞を受賞しました。
いたち川、名前の由来
「いたち川」という名前は、「イデタチ川」という名称から変化したものです。 鎌倉時代には、鎌倉街道に沿ったこの地域は幕府にとって交通上または軍事戦略上の要所であったため、宿駅が存在したことが知られています。 出で立ち川とは、「いざ出立」という意味であり、鎌倉街道を下って旅立つ際に安全を祈願するための儀式に由来すると考えられています。
いたち川のシンボルは、3匹のいたち「たっちー君」の親子像です。城山橋の近くの川の中に建てられています。もし運がよければ、カワセミが飛んできて、いたち像の頭にとまるのを見ることができますよ。
私たちもいざ出立
6月初旬、梅雨の晴れ間のとても良いお天気の日でした。大船駅東口の神奈中バスターミナルから金沢八景行きのバスに乗って山手学院入口で下車したら、スーパーたまやでお弁当とドリンクを調達。たまやの裏側に回ればいたち川に出ることができます。
ついでにここでトイレも済ませましょう。この後の公衆トイレは栄区役所裏まで1カ所しかありません。
川沿いの道を大船方面に向かって歩き出します。よく整備された道で歩きやすく、ご高齢の方もたくさん散歩されています。
大船からここまでゆったり歩いても小一時間ほどのルートです。大船から右岸、左岸と往復するのもいいかもしれません。
梅雨の晴れ間、紫陽花の花が美しく輝いていました。
ここはカワセミ天国
キキキキーーというかん高い自転車のブレーキ音が聞こえたら、それはカワセミの鳴き声かも。この辺はカワセミのメッカ。バズーカ砲のようなレンズを構えて、たくさんのカメラマンさんが並ぶ姿を度々見かけます。私も小さなレンズで参戦(笑)。
マガモたちのコロニーがあります。
川辺を飛び交うシジュウカラやメジロたちを見ながら、のんびり川下に向かって歩いていくと、半夏生(ハンゲショウ)の群生に出会いました。この花を見るともうすぐ夏だなと実感します。
子どもたちはここでザリガニ取りをしたり蝶を追いかけたり。お父さんも夢中になって子どもと遊ぶ姿が微笑ましい。
木の茂みではムクドリが子育てをしています。
この辺の木陰でよくお弁当を食べます。緑を渡る風が気持ちいい〜。突然カワセミが目の前をビューンと通り過ぎたり、ハクセキレイが浅瀬で水浴びをしたり、私にとって、幸せってこういう時間だなと実感します。
冬場にはカワラヒワの群れを見かけます。
ドジョウを食べるコサギ
ネム(合歓)の花
ヒメジョオンにとまるモンシロチョウ
甲羅干ししているスッポンに出会うことも
ずっとこのポーズで濡れた羽を乾かすのはカワウ。カワウの羽毛は水を弾く機能がないのです。
魅惑のエメラルドアイ、カワウ
ハト
いきなりハトが足元に倒れていてびっくり!!と思ったら、久しぶりの晴天に、鳩も羽を広げて虫干しをしていたのですね。

まあ、ハトさんラブラブ、人目もはばからず(笑)
カルガモの赤ちゃん産まれたよ
通りがかりのカメラマンさんに、「警察学校の辺りにカルガモのひながたくさんいるよ」と教えていただきました。大急ぎで現場にGo!ここは毎年カルガモが子育てをする場所です。
いました、いました!ギャラリーに見守られて、カルガモの赤ちゃん8羽の登場です。
まだ孵化して数日なのに、ヒナたちはお母さんの後についてしっかり泳ぎます。時々はぐれる子もいますが、すぐに戻ってきます。
お母さんはカラスや猛禽が来ないか油断なく見張っています。
ヒナたちを岩場に連れてきて餌の取り方を教えるお母さん。みんなで夢中になって岩に付いた苔を食べています。まるで鮎みたいですね。
カルガモより大きなコイもたくさん住んでいます。
8羽もいると、お母さんワンオペでの育児は本当に大変そうです。子育ては奥さんにまかせて、お父さん同士は少し離れたところに固まってのんびり過ごしていました。

お〜い!お父さ〜〜ん
翌日見にいくと、やはり7羽に減っていました。この子たちは一体何羽生き残れるのか、これから厳しい生存競争が始まります。
今なら神奈川県警察学校の前から城山橋辺りで可愛い子がたくさん泳いでいるはずです。ぜひ見に行ってくださいね。
大船駅から戸塚方面に柏尾川沿いを歩くと、途中でいたち川との合流地点があります。そこからいたち川源流まで遡って歩けるので、そちらのコースもとてもおすすめです。
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