野鳥ファンに大人気のカワセミは、都会でも一年を通して出会うことができる親しみやすい野鳥です。清流に住むイメージですが、意外に普通の川や、それほど美しくない水辺で見かけることもよくあります。
カワセミの食べる小魚は清流よりも、生活排水が流れ込む都市部の川の方が多いようです。また水深が浅いところ、サギたちが漁をしているようなところが狙い目です。あまり深いところにはカワセミは潜れません。
カワセミは見慣れないと目の前にいても見過ごしてしまうことが多く、あっと思った瞬間にビューンと通り過ぎてしまいます。カワセミ撮影歴5年の私がカワセミの見つけ方や、横浜南西部エリアの高確率でカワセミに出会える観察や撮影のしやすいスポットをご紹介します。
カワセミの魅力
カワセミは翡翠と書き、「飛ぶ宝石」と呼ばれるほど美しい鳥です。タマムシと同じような構造色と呼ばれる羽毛が、翡翠色だったり深い青色だったり、光によって美しく変化します。やはり曇りよりは晴天の時の方が美しく撮ることができます。
また、成熟すると鮮やかなオレンジ色のお腹の羽毛、魚を獲るために特化した黒いくて長い精悍なくちばし、歩くことはほとんどないので、枝に止まるためだけのオレンジの小さな足も可愛らしいのです。
狩の名人
木にとまっているだけでも十分美しいのですが、カワセミは英名がキングフィッシャーと呼ばれる通り、本当の魅力は魚を獲る姿です。木の枝や岩にとまってじっと水面を見つめ、獲物をロックオンすると、まるでミサイルのように一直線に飛んで水に潜り、魚やエビをくわえて水から上がり、元の場所に戻る間はほんの一瞬です。そのほんの一瞬に多くのカメラマンが集まります。
カワセミの見つけ方
カワセミの鳴き声はまるで自転車のブレーキのような音です。川辺や池のどこかで「チーチー」という甲高い音がしたら、カワセミの鳴き声かもしれません。
また、川の護岸のブロックや石の上に白いフンがあれば、そこに来る可能性が大きいです。
カワセミはある程度お腹がいっぱいになると、気の茂みに入って休憩し、しばらくは出てきません。他のエリアを見て回って、戻ってくるとカワセミも漁に戻ってきているということはよくあります。
そういうエリアにはカメラマンさんも多いので、カワセミよりカメラマンさんがどこに注目しているのかを観察した方がいいかもしれません。
①いたち川(栄区)
いたち川は横浜市栄区のシンボルリバーです。いたち川については「栄区いたち川の散歩道」という記事もよろしければ参考になさってください。
公共交通機関:京浜東北線本郷台駅下車、南に5分ほど歩くといたち川沿いに遊歩道があります。この遊歩道を歩いていれば必ずと言っていいほどカワセミに出会います。
おすすめスポット:春夏の子育て時期は、ぜひ本郷台駅から大船寄りの水神橋辺りに行ってみてください。岩の上に巣立ったばかりのきょうだいが数羽仲良く並んでいたり、子が親を追いかけて飛んでいたり、親が子に給餌している微笑ましい姿を見かけます。
尾月橋辺りは年間通じて飛び込みのシーンが撮りやすい有名なスポットで人気です。カメラマンさんの大砲レンズがたくさん並んでいるので、すぐに分かります。ここは三脚を立てることができます。
特徴:野鳥は一般的に早朝が良いと言われていますが、カワセミはそれほど時間帯には関係なく現れることが多いです。しかし、やはり朝一番はお腹を空かせて出てきてくれることが多く、お腹がいっぱいになると木陰でお休みします。川沿いを歩いていけば、どこかでは必ず出会える印象です。
この川は日陰が少ないので、お天気が良ければ早朝でもきれいに撮れます。なるべく日の当たるポイントを探してください。
トイレ:本郷台駅か、栄区役所の裏にもあります。
②舞岡公園(戸塚区)
戸塚区の舞岡公園は、野鳥の渡りのシーズンには珍しい鳥に出会えることができるので、野鳥ファンには有名な公園です。かなりの頻度でカワセミに出会えるスポットがあります。
交通機関:地下鉄ブルーライン舞岡駅下車徒歩5分 約2キロ
駐車場:普通車 2時間300円、以降20分50円 6時~21時
住所:横浜市港南区上永谷4374-1
おすすめスポット:舞岡公園の中にある宮田池と道を挟んで向かいのさくらなみ池はカワセミの定番スポットです。早朝から見かけますが、お昼前後は茂みに入って休憩しているようです。夕方に行ってみると、人も少なく、目の前の木の枝にとまっているのを見かけることもあります。
カッパ池辺り、小谷戸の里の下の池にいることもあるので、探してみてください。繁殖期には魚をくわえて田んぼの上をビュンビュン飛んでいる姿を見かけることもあります。
特徴:園内のあちこちでカワセミを見ることができます。宮田池はカワセミまでの距離が遠いので600ミリ以上のレンズ、椅子や三脚もあると便利です。園内は相当広く起伏があり、雨上がりはぬかるんで足元が悪いこともあります。
トイレ:小谷戸の里と駐車場付近
③こども自然公園(大池公園)
公共交通機関:相鉄線「南万騎が原」駅徒歩7分
駐車場:第1駐車場と第2駐車場 24時間営業 2時間¥300 ※カワセミを撮るなら池に近い第1駐車場が便利です。
特徴:住宅地とゴルフ場に囲まれた広大な敷地内に作られた、自然が豊かに残る県立の公園です。公園内には、野山や池、森林などがあり、四季折々の植物が美しく、梅林にはメジロたちが集まってきます。秋冬には熟した柿の実を食べにアオゲラが来るのも見かけます。
おすすめスポット:公園の中央に位置する中池はカワセミを近くで観察できるので有名なスポットで、超望遠レンズが並んでいます。池中の杭にとまっていたり、浮島の木の枝から何度もダイブして餌を獲る姿を近距離で撮ることができます。
通路は広いので三脚と椅子を使うことができます。いないと思っても、しばらく待っていると「チー、チー」という甲高い声が聞こえて飛んで来るので、諦めずに待ってください。
トイレ:園内各所にあります
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