瀬上市民の森
このところ連日の猛暑日でしたが、今朝起きると意外に涼しい。それなら!ということで、夫のみっちーと二人、横浜の森を歩きにバスに乗って出かけました。
スタートのみどりが丘のバス停へは、大船駅からは船09系統、港南台駅からは港93系統に乗ります。
バスを降りて住宅街の緩やかな坂を上ると、右手に上郷台という看板が見えてきます。その先に見える森が瀬上市民の森入り口です。
まずは瀬上池→池上休憩所 この辺りでバードウォッチングをして、いっしんどう広場から氷取沢市民の森を抜けてバスで帰ろうというプラン。この辺は横浜の秘境と言われていて、多くの生き物が生息する豊かな森が広がります。

トイレは途中、いっしんどう広場にしかないのでご注意。
つまり上の図面で以下のとおり歩きます。D1→D3→E3→E4→E8→E7→E8→E4→A2→A4→B8
E7からとE8から尾根道に上がる道は通行止めになっていますが、E7辺りの水場にはだいたいカメラマンさんがいて、野鳥が水浴びに来るのを待っています。この日はあいにく何も現れず、一通りチェックした後E4まで戻り、尾根道A2までの坂道をひたすら登って行きます。
D3を池の下広場に向かいます。
さすがにこの時期はあまり花が咲いていないのですが、さっそく今まで見たことのない可愛らしい花を発見。
ヒメヤブラン(姫薮蘭)
親指の先くらいの可愛いい花ミゾフサギ。
池の下広場に到着です。
この森には冬にルリビタキがやってきます。
2023年1月撮影
連合軍で子どもを守る親鳥たち
ベンチに座って汗を拭いていると、背後の木の上から「ジッジッジッ、ジッジッジッ」とたくさんのセミが鳴いているような声が聞こえます。よく見ると木の上でソウシチョウ(相思鳥)やメジロが何羽も飛び回っているのが見えました。どうやら何かを威嚇しているみたいです。
すると突然「カチャ、カチャ、カチャ」というタイワンリスの鳴き声!卵かヒナが狙われているようです。親鳥たちは狂ったように飛び回って大騒ぎ!どうやら同じ木に巣をかけて子育てしている様子です。ソウシチョウとメジロ、連合軍でリスを威嚇しています。やがてリスはあきらめて退散したようでしたが、愛鳥家としては手に汗握る緊迫の瞬間でした。
今、横浜や鎌倉ではタイワンリスが急増していて、冬場の食糧不足の時期、お腹が空いて樹皮をかじって木を枯らしてしまったり、鳥の卵やヒナを食べてしまうケースも増えているようです。みかん山がひと山丸ごとタイワンリスの被害を受けたという話も聞きます。
タイワンリス(クリハラリス)犬のように「ワン、ワン、ワン」と鳴いたり「カチャ、カチャ、カチャ」という警戒音を出します。

見た目はリスなのでとっても可愛らしいのよね。
叫んでいるソウシチョウ(ピンぼけでごめんさい)
「ジッ、ジッ、ジッ」と威嚇鳴きするメジロカップル。
瀬上の池
この広場の上に瀬上の池があります。ここはカワセミが魚を獲っている姿を時々見かける、秋にはとても紅葉の美しい池です。
池の上休憩所で一休みしてしばらくサンコウチョウを探しましたが、木の葉が茂っていて姿は見えず。6月に3羽のサンコウチョウが巣立って、森の中をヒラヒラ飛び回っているという情報は聞くのですが、残念でした。
6月に見かけた抱卵中のサンコウチョウ。2本の蔓を利用して苔や葉でこんなに可愛い巣を作ってしまうなんて素晴らしい!今でも空っぽの巣が木の上からぶら下がっているので探してみてください。
2023年6月20日撮影
ソウシチョウとガビチョウの話
ソウシチョウとガビチョウのさえずりが響き渡る森。どちらも姿や鳴き声が美しいので、ペットとして中国や東南アジアから連れてこられ、あまりの声の大きさに放してしまったのか、あるいは国の特定外来生物に指定され、業者が困って大量に投棄したものが増えたという説もあります。

都会のマンションで飼ったらご近所トラブル間違いなしです。
ソウシチョウはメジロくらいのサイズの小さな鳥です。とても夫婦仲がいいので相思鳥と書きます。カラフルでとても可愛らしい鳥です。
ガビチョウ(画眉鳥)は文字通り京劇の役者さんのような白いアイリングが特徴的です。ムクドリくらいの大きさで、森でも公園でも木のある所どこにでもいる印象。とにかく長〜く多彩なフレーズでさえずります。厄介なことに、いろんな鳥の鳴き方を上手に真似ます。この日はサンコウチョウの真似をして「ホイホイホイ、ホイホイホイ」と大声で鳴いていたりして、ややこしくて仕方がありません。あまり人を恐れず、近づいても逃げません。

連れてこられたり捨てられたり、環境に適応して増えすぎるとひんしゅくを買ったり、リスにも鳥にも何の罪もないんだけどね〜。人間の勝手です。ごめんなさい…。
この辺りの道はどこに行ってもヤブミョウガの群生でいっぱい。とても幻想的でした。もう少しすると真っ黒いツヤツヤしたビーズのような実が実ります。
関東の富士見百景
E6からA2のいっしんどう広場に向かいます。
いっしんどう広場から200m歩くと、天気が良ければ富士山が一望。特に冬場は雪を被った富士山がくっきりと見え、関東の富士見百景に選定されているそうです。
この日は残念ながら富士山方面は曇っていました。
森は生きている
森で拾った不思議な毛むくじゃらの実はアカメガシワの実でした。秋になるとはぜて中から真っ黒の実が現れます。これが野鳥たちの大好物。まだ青い実を見たのは初めてでした。
春には真っ赤な新芽が美しいアカメガシワ
涼しい木陰を歩きます。
この日はタカサゴユリがたくさん咲いていました。

タカサゴユリの花の中で涼んでいるのはシロガネグモかな。暑いもんね〜。
この森にはマムシ、アオダイショウ、ヤマカガシ、シマヘビが住んでいます。ヘビはカエルやネズミなどの小動物を食べます。ヘビがいる森はそれだけ生き物がたくさんいる豊かな森といえます。

「道を外れるとヘビが多いので決められたところを通ってください」と書いてあったよ。
横浜の秘境、氷取沢市民の森へ
氷取沢市民の森方面に向かいます。
大岡川の源流に沿って木道を歩きます。
おおやと広場を氷取沢方面へ
氷取沢市民の森出口に着きました。イノシシが外に出て畑を荒らさないように柵が設けてあります。
氷取沢バス停方面に進みます。
ここからは一面に農地が広がっています。農地を抜けた先に氷取沢バス停があります。氷取沢バス停から京急上大岡や金沢文庫、JRの杉田などに出られます。
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